過去ログ - ほむら「願いの果て」2
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3:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/01/29(水) 20:50:28.36 ID:Y5VyRhna0
 
QB「出ないのかい?」

QB「もしかしたら、君が本当に望むものがそこにあるかもしれない。そうだろう?」


   二度目のチャイム。


   「……」


   固く閉じた眼を開き、無言で立ち上がると
   少女はそのまま玄関へと向かって歩き出す。

   思いつめたような顔でドアの前に立つ少女。

   しばし逡巡した後、ノブへと手を掛けると
   息を呑み込んでから、ゆっくりとドアを押し開けていく。

   金属の擦れる音に混じって、侵入してきた外気が少女を撫でる。

   そのまま限界いっぱいまでドアが開いた。


   「……」


   その先では、どしゃ降りの雨だけが少女を冷たく出迎えた。
   目の前に居る筈の、とある人物の人影はそこには存在しなかった。

   少女の口から軽いため息が漏れる。


QB「今、君が抱いたその感情は安堵かい?」


   立ち尽くす少女の背中にキュゥべぇが声を投げかける。


QB「それとも落胆かい?」


   少女は答えなかった。
   押し黙ったままの暗い瞳に、降りゆく雫が映し出されている。
 

   いつまでも絶えることなく降り続ける雨音は、次第に激しさを増して
   少女の足元の、乾いた床に消える水の音を呑み込んだ。
 
 
 
 
 


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