過去ログ - ほむら「願いの果て」2
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43:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage saga]
2014/02/17(月) 02:04:22.25 ID:J0pbJsXm0
 
ほむら「でも、キュゥべぇ。一つだけどうしても知りたいことがあるの」

QB「なんだい?」

ほむら「結局、私は……『今ここでこうして考えている私』が『本当の私』で……いいんだよね?」

QB「……そうだったね、君の最初の質問に対して僕はまだ答えていなかったね」

QB「存在の証明。それは残念ながら、どこまで行っても他者でしかない僕には、君が真に納得できる答えを与えることはできないだろう」

QB「自分の内に自己を見い出し、そしてそれを肯定することが出来るのは、他の誰でもない君自身だけなんだ」


   ほむらの体を離れ、フェンスの上に飛び乗ってキュゥべぇは言った。


QB「あらゆる事象は複数の性質を持っている。大切なのはその側面をどのように捉えるかじゃないかな」

QB「心も然りさ」

QB「君が今見ている世界は何時だって変わらずそこにある」

QB「それに対して君が不安や期待、希望や絶望、そして喜びや悲しみなどの、こういった相反する感情の一方を抱いたとしてもだ」

QB「それらは全て君の中にしか存在し得ないし、さらに言えばその枠組みは君自身が勝手に定義したものだ」

QB「つまり、君の認識次第で世界の在りようはいくらでも変わるし、変えられるんだ」


   逆光で影になったキュゥべぇの赤みがかった瞳が、瞬きひとつせずにほむらを見つめていた


   キュゥべぇの輪郭の奥で燃える夕陽に、目を細める。

   そういえば、とほむらは気付く。

   先ほどまでの陰鬱な感情がどこかへ消えてしまっていた。
   あんなに苛ついていた夕暮れの街並みに
   いつの間にか、いつも感じていた暖かさが戻っていた。


ほむら(私の認識で世界が変わる、か……)


   自分が何者であろうと、この景色は日々移ろい、
   自分が何を考えようと、それは他人とって何ら意味を成さない。

   つまり、常に自分は、自分足り得るのだ。誰にもそれを否定できはしない。

   キュゥべぇが言っているのはきっと、そういうことなのだろう。

   だとしたら確かに『自分が誰なのか』と悩むこと自体がバカバカしいではないか。


   そんな結論に、我ながら単純な性格だなと、ほむらは小さく笑った。
 
 


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