77:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/05/25(日) 22:06:45.60 ID:bOYkz5VF0
仁美「それで、さやかさん……お話というのは?」
円の縁に消え行く波紋から目を離し、仁美は切り出した。
さやか「……ん」
さやかは口元まで運んでいた2つ目のサンドイッチを皿に戻すと
仁美からは若干視線を外して、食すのには軽かったはずのその口をようやく開いた。
さやか「あー、その……仁美さ、お稽古いっぱい習ってるよね」
さやか「……結構大変じゃない?」
仁美「……そうですわね、この後も行かなくてはなりませんもの」
さやか「あ、そうなんだ……ごめん付き合ってもらっちゃって」
仁美「いいえ、構いません。でも、あまり時間は取れませんので……」
再び訪れる沈黙。
仁美「……それで?」
なかなか本題に入らないさやかに、仁美は続きを促した。
さやか「うん。忙しいって聞いといてなんだけどさ、来月辺り1日だけでいいから、なんとか時間取れないかな?」
仁美「構いませんが……何故?」
さやか「あのさ……仁美……元気、ないよね」
真面目な眼差しが仁美に向けられる。
仁美「そうでしょうか? そんなことありませんわ」
その視線にややうわずってしまった声をコーヒーを飲む動作で誤魔化す。
さやか「……嘘だよ、無理してる」
仁美「……何が言いたいのでしょう?」
さやか「聞いたんだ……」
さやか「仁美が、その……落ち込んでる理由」
仁美「え?」
仁美の眉が跳ね上がった。
仁美(『聞いた』……?)
その伝聞形式の言葉に耳を疑った。
仁美の頭の中が真っ白になる。
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