過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」 part9
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29: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2014/02/01(土) 23:56:31.60 ID:gLjesAt+o

***

 エトランゼから寒空の下に追い出されたアーニャは再びその扉を開くことなく帰路へと向かう。
 正直ばつが悪いのでアーニャ自身もあの場に戻ろうという気は自然とおきなかった。

 相も変わらず、雪はひらひらと降り注ぐ。
 振っている雪の量も大したものではなく、このまま降り続いたとしても積もることはないだろう。

 この儚く、美しくもあるささやかな雪を見上げる人を道中何度かいたがそれもアーニャの視界には入らない。

 そしてアーニャは立ち止まることなく足を進める。
 これまでに嫌というほど雪を経験してきたアーニャにとって、日本では初めての雪でも特に感慨深いものはなかった。

 その後、暫く歩いてエトランゼでの体の熱もかなり冷えたところで、ようやく見慣れた屋根を視界に入れる。
 アーニャの歩幅は自然と広くなり、少し急ぎ足になりながら女子寮へとたどり着いた。

「あら?アーニャちゃんじゃないですか。おかえりなさい♪」

「こんにちは……。アナスタシアさん、お久しぶりですね」

 そんないつか見たことあるような組み合わせ。
 女子寮の階段下には、鷹富士茄子と鷺沢文香がいた。

「プリヴェート……茄子、文香」

 先ほどのあに引き止められたアーニャにとって階段前で立ちふさがるこの二人がとても高い壁に見える。
 アーニャはなるべく心中を悟られぬように、二人の間を抜けようとする。



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