7: ◆ukweaVAfH6[saga]
2014/02/04(火) 21:35:12.72 ID:bTme5qlW0
「きみはとてもピアノが上手だ。素晴らしいと思う。私よりよほど早くイスラメイを弾けるだろうし、ミスタッチも少ないだろう」
「唐突に何でしょう?」
「しかし、君の演奏は機械製だ。そこには何の想いもない」
「……」
「君は今不満な表情を浮かべた。そう、確かに感情はある。けれど、それをピアノに乗せることができない。そんなことは、当たり前のことだ。そう、凡人であれば。けれども、君はまがりなりにも私の門を叩いた。それも速度記号はプレスト、強弱記号はフォルティッシモだった。とても不愉快だった。だから君は仮に真髄まで凡人だったとしても、全てを入れ替えて天才とならなくてはならない。それほど私の門を叩くのは重大なことだ」
「……あなたは僕に何も教えてくれません」
「そう。私は君にまだ何も教えていなかった。君が弾く楽譜どおりのピアノに歯ぎしりをしながら、いつか不足していることに気づくだろうと気長に待っていた。しかし、君は気付かなかった」
「……」
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