過去ログ - 皆が見た夢を短編小説としてオムニバス形式に書いて行くスレ
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7:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/02/05(水) 20:27:00.21 ID:wymLqgvQ0
時間に遅れると思っていたのに布団から出られない。
窓の外は明るいのに、部屋の仲は青黒いフィルムでも張られているかのように薄暗い。
窓の外の光を浴びたくてもがく。もがいてようやくからだをおこして、窓に近寄るとまた布団のなかにいる。

そこで私は「ああ、ここは夢のなかなんだな」と気づいた。
夢の中で夢と気づくのは確か明晰夢とかそんな感じだった気がする。違った気もする。
この夢の中では体が重いという制約があるようだけど、それさえ何とかすれば所詮夢の中だ。好き勝手出来る。

そうおもって、じたばたともがきながら体を起こす。
這いつくばるように窓に近づいて、現実では絶対にできない空を飛ぶという行為をやってやろうと窓から身を投げる。

そうすると、また布団の中にいた。

ああ、そうかきっとこの夢は部屋の中にいるという縛りもあるんだろう。
せっかく夢だと気づいたのに、つまらないな。

私は目が覚めるまで、鬱々とした、外の光をうらやむしかない薄暗い部屋の中で布団に横たわっていた。


起きた時なぜかものすごく泣いていたけれど、なぜあの夢で泣いてしまったのかは今でもよくわからない。

(終)


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