103: ◆y1mocXMtjQ[saga]
2014/02/11(火) 23:21:21.84 ID:mw9295vdo
一陣の風が覆った後に甲冑をその身に纏うと、セイバーは静かに構える。
セイバー(……ランサーの宝具は長槍と短槍…だが、あの『ゼロ』というサーヴァント……)
先程までのダークスーツを身に纏っていた、男装麗人とも呼べるだけの美貌とは一変し、その眼光を瞬時に走らせる。
直前にセイバーは見たのだ、ゼロが僅かな一瞬で四つの宝具らしき武器を展開し、それを……。
セイバー(『悩んでいた』……間違いない、あのサーヴァントは……)
そう、ウェイバーや常人の動体視力では捉えられないが故に、ゼロが持つ特異性に気づけないでいた。
ゼロは『ウタ』の力を使って一定数の武器を召喚していたが、その際に最大の優位性を秘めていたのだ。
尤も、彼女にとっては所詮は『瞬時に武器を交換出来る』程度にしか考えていなかったのだが。
セイバー(もしも先の芸当が戦いの最中に出来るならば、奴に体制も、武器の優位性も関係無い)
セイバー(……ならば、あらゆる攻撃を受け流してみせ、そこへ一刀の下に斬り伏せる…)
魔力によって編まれ構成された鎧の甲内で握られた物が、軋む音を立てる。
揺るぎなき騎士王としての重みを乗せた刃を奮い立たせ、戦場へとその切っ先を向けた。
しかし、それよりも先に動いたのはセイバーではなかった。
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