11:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/02/08(土) 23:00:21.05 ID:0wQbi/d30
 「何?」 
 「ポニーテールを触らせて」 
  
 * * * 
  
 「ひびきんのポニーテールってすごく綺麗だね」 
 「ま、真美だって髪の毛縛ってるし、珍しいものでもないぞ」 
 「さらさらで気持ちいい」 
 「あんまり言われると恥ずかしいぞ」 
  響の部屋でじゃれあう。暖かい部屋の中でゆっくりと髪に手を入れる。くすぐったいのか時おりびくっと体を震わせる様子も微笑ましかった。もっと困らせたくなった。 
 「ひゃっ」 
 「うなじも綺麗だねひびきん」 
 「そこはだめだってば」 
 「何でも言うこと聞くって言った」 
  いつもいたずらを仕掛けるような顔で笑って言えた。そう言うと響は何か言いたげではあるものの大人しくされるがままになった。 
 「あのね、ひびきん」 
 「うん」 
 「怖い夢を見たの」 
  夢の内容を話した。全然まとまっていないままに話したのに、響は優しく相づちを打ってくれた。 
 「真美だって頑張ってるのに。あんな風に思われてるかもしれないって考えたら怖くなって」 
 「頑張ってたら評価される訳じゃないぞ」 
 「そうだけど……ひびきん厳しいね」 
 「でも真美だってどんどんファンを増やしてて前に進んでる。着実に前に進んで評価されてる」 
  ーーちっちゃくて可愛いのに、真美よりもひびきんは大人なんだ。 
 「そして自分は真美の頑張りをちゃんと評価してるんだぞ」 
  響が振り返って真美の頭をなでた。 
 「も、もうひびきんってば」 
  恥ずかしくて、そして気を緩めると泣いてしまいそうで思わず響から顔をそらした。 
 「優しくなでてやるとハム蔵やいぬ美たちも喜ぶんだ」 
  頭をなでてくれる、ただそれだけのことで、いつの間にか夢の内容なんてどうでもよくなっていた。優しく頭をなでてくれる手のひらにだけ集中しているのだった。 
 「あのねひびきん」 
 「何?」 
 「怒鳴ってごめんね」 
 「なんくるないさー」 
  響がにかっと笑う。つられて真美も笑うのだった。 
  
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