31: ◆ukweaVAfH6
2014/02/11(火) 17:35:47.97 ID:F0c9oc5V0
男「あ、そうだ。自己紹介ってしてましたっけ?」
女「……いや、していないと思います」
男「お互いに好きな子は知っているのに、本人のことを知らないって不思議ですね!」
女「好きな子って言うと何だか勘違いされそうですけど……」
言われてみれば彼の年齢はおろか、名前さえも知らないのだった。共通の趣味というのは恐ろしいものだ。初対面で名前も知らない男女であったとしても、これほどまでに盛り上がってしまう。似ている人物が惹きあうというのは本当なのかもしれない……決してまだ惹かれてはいないけれど!今後も多分無い……のかなあ?
男「改めて……初めまして、男です。趣味は当然ながら競馬と後サッカーが好きです。サッカーと競馬観戦のために海外旅行に行くほどです。ちなみに年齢は27歳です。よろしくお願いします」
女「に、にじゅうよんさい……ですか?」
男「……?はいそうですよ。あー……もっと若いと思ってました?」
そう言って彼は苦笑いを浮かべる。競馬場に居て馬券を買っていたのだから、二十歳以上なのだろうとは思っていたけれど同い年か精々一つ上ぐらいだと思っていた……。そう考えると……大分失礼な発言をした気がしないでもない。敬語でしゃべっていたとはいえ。
女「何だか、度々失礼なことを言ってしまったような気がします。申し訳ありません。私は女と申します。二十歳です。趣味は競馬とカラオケです。どっちも一人で行ける精神の持ち主なので、友人からは女を捨ててると言われています。よろしくお願いいたします」
男「……うわあ、お堅いですねえ」
女「目上は敬うように心掛けております」
……本当は不遜な自分の態度を思い出し、申し訳なさを抑えきれずにもはや文語と言っていいような敬語となってしまっているだけである。一人競馬場、一人カラオケに行ける精神力より、対人における精神力が欲しい。
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