60: ◆ukweaVAfH6
2014/02/14(金) 22:08:30.10 ID:DcOx48uv0
女(さて……シャワーの前に……一応出馬表チェックするか……)
チェックする日にちが金曜日から土曜日にずれただけで、やはり欠かせない習慣なのだった。せめて、応援だけでもしたいという気持ちはまだあるのだ。
女(お……いいじゃんミズタマアオゾラ!久しぶりだなあ……休み明けだよなー頑張ってほしいな。お……イケメンクンも出るのかー。そっかそっか、関西遠征ねー。頑張ってほしいなあ……。ん?この子……)
私が見つけたのは、ワタシノヒコボシという競走馬だった。ボクノオリヒメ……ワタシノヒコボシ……。
女(同じ馬主さんなのかな……)
すぐにインターネットで検索する。……やはり、同じ馬主さんのようだ。ロマンチックな馬名だ。
女(そっか、オリヒメの父馬とヒコボシの母馬がライバル同士だったのか……。懐かしいな……)
その両馬は短距離戦線でしのぎを削り、とある競馬漫画では恋愛関係にあるように描かれていたのだ。しかし、現実にその両馬が交配されることは無かったのだけれど……。
女(馬主さんもロマンチストだなあ……。ヒコボシ、君は良血馬なんだね……。……久しぶりに、競馬場行こうかな)
両馬のストーリーに乙女心を擽られたのか、単にあまりに退屈な土曜日に嫌気が差したのかはわからない。けれど、何かが背中を押してくれたのだと思う。仮に昨晩の雨が降り続いていたなら、ヒコボシが関西遠征だったなら……きっと不思議な巡り合わせなのだろう。全てが私の背中を押しているのではないかと錯覚したくなる程だ。
女(とりあえずシャワーを浴びて、行きますか。応援に)
カーテンを開ける。突き抜けるほどの青空はきっと彼らの前途を祝しているのだろう。
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