117:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/02/12(水) 00:33:25.87 ID:rvZEoW38o
  
 それは心底、不意打ちだった。 
 この世界に生まれ、ほんのひと時を宙に舞い、溶けて消える雪の結晶。 
 見る者の心に何かを残し、何かを与え、また空気中の水分として姿を消して。 
 この世界を巡り、循環し、いつかまた雪と降るだろう。 
 そんな、当たり前のことに。 
 もう流し果てたと思うほどに流した、涙が瞼に滲んで目が潤む。 
  
 あの子たちは、これからどうなるのだろう。 
 呪いを受け止めた果てには、またこの世界を巡るのだろうか。 
 それとも、いつかあそこに逝く私たちと並んで、眠り続けるのだろうか。 
  
 ただ、どのような未来が待っていようとも。 
 きっと、怖くなんて、ないだろう。 
 辛くても、痛くても、ひとりじゃないから、耐えられる。 
 だから、あなたたちに贈る言葉として、私がかつて言ったそれを、もう一度。 
  
  
 「また、いつか」 
  
  
 ふわりと舞った牡丹雪が、私の体に落ちて溶ける。 
 それは水になって、一部を空気に、一部を私の中に運んで、すぐに見えなくなった。 
  
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