過去ログ - ほむら「想いの欠片」
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32:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/02/11(火) 23:06:44.80 ID:4W+e2BTSo

彼女は髪から、雨粒を滴らせていた。
夕立に遭っちゃってさ、とため息交じりに説明するその姿に、活気はない。
もっとも、今の私たちよりはよほどマシかもしれないが。

慌てたように巴マミは立ち上がり、バスタオルを掴んで渡す。
佐倉杏子はそれを素直に受け取って、頭から被る。
分厚い布地に覆われて、彼女の表情は見えなくなった。


「……寒かったでしょ。すぐお茶淹れるから、待っててね」


お湯に温められていたカップの中身を流しに捨てるべく、巴マミは私たちの会話から離脱する。
きっと返事はもう期待できないだろう。
結局、一世一代の大告白は無為に終わってしまった。
私たち三人はそこに残される。
言葉は無くて、佐倉杏子が、ごしごしと乱暴に髪を拭く音だけがそこにある。
いたたまれなくなって、彼女の後ろに陣取って、タオル越しの彼女の頭に手を乗せた。



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