61:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/02/11(火) 23:34:56.95 ID:4W+e2BTSo
少しずつ、その影は大きくなる。
ただの黒い点だったそれらが、次第に形を為して、輪郭を作って、人になる。
じわりと、繋いだ手に汗が滲んだのを感じる。
きっと私の手もそうなっているのだろう。
口の中が乾いて、吸い込む息がどこか痛いのは、気のせいではないのだろう。
滑らないように、吹き抜ける風にそれを乾かして、大きくなっていく人影に痛いほどの視線をぶつけて。
もう間違えようのないほどに、それらを認めて。
そして、降りた。
しばらくの間、誰も何も言わなかった。
何をするでもなく、ただ立ち尽くしていた。
何よりもそれを求めていたはずなのに、直面して、その衝撃に、耐えていた。
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