過去ログ - ユニコーン「ますたーの、一番のプラモは……わたし」バンシィ「いや、あたしだね!」
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◆4jPnOLgqH.
[saga]
2014/02/12(水) 04:30:44.58 ID:KP3shPFY0
何所にしまっていたのか縦の額当てのような角を再度背後から取り出すと、彼女は頭へ装着する。小さく「でゅわ」と掛け声まで掛けて。
そこから予想外に切れの良い動きで、不必要であろうポーズを決める。半目で意気込んでる姿は、とてもシュール。
というか妙にポージングに見覚えがあると思いきや、最近俺がDVD借りて来て見てた仮面ライ○ーBLACKの変身ポーズじゃないか。
ユニ子「えと……えぬ、てぃーでぃー……発動」
白髪碧眼の少女が、気の抜ける声で『NT-D発動』と唱えると、彼女を中心にして温かい風が吹き抜ける。
すると温かい風に浮かばされるように、少女の体が宙へ浮遊。俺の目も驚きのあまりアメコミ風に飛び出しそうになった。
この光景を写真に撮ってヌーとかに持ち込めば、さぞ高値で買い取って頂けるのでは無かろうか。
男「……う、浮いてる!?」
驚くべき点はそこだけではない。タネも仕掛けも無く、額で固定された一角が真ん中から縦に割れ、現れる黄金の二股角。
腕や脚に装着されていた装甲は間接部が開き、そこから露出した部分が、小さな粒子を漂わせながら赤く輝いている。
何よりも驚く点は――徐々に変色しているのだ。腰まで伸びた長い髪が、綺麗な純白から、燃え盛る炎のような赤髪へ。
デストロイモード・ユニ子(以下Dユニ子)「ふぅ……NT-D完了」
外国の手品師真っ青な所業を成し遂げた彼女は、染め上がった髪を軽く振り、と何事も無かったかのように重力に引かれ地面へ着地。
大胆に変化した外見もそうだが、口調も先程のたどたどしく舌足らずな物から、大分落ち着いた大人っぽい物に変化しているように思えた。
Dユニ子「ん〜〜……全っ然話せないし、結構肩凝っちゃいました!これだから通常時は……あっ」
男「お、おま……おまっ!?」
人間は心から驚くと語彙が少なくなる。今心の底から実感している。口が「おま」としか回らないのだ。
Dユニ子「ん〜む、なるほどなるほど。今の状態だと、ますたーと同じ大きさなのですね……感っ激っです!」
何を納得したのか、彼女は心底動揺している俺を前にして、顔の横で手を合わせて幸せそうに頷いている。
そして白髪の時よりも表情豊かになった彼女は、若干怪しい笑顔を浮かべながら、腰が抜けた俺に近寄って来た。
Dユニ子「ん〜〜っ!まっすったぁ!やっと自分から触れましたぁ〜!」
抱き付かれた瞬間に広がる甘い苺の香り。時々当たる腕の装甲が痛いが、胴体の部分は柔らかく、明らかに温かい女の子のもの。
男ならこの匂いと感触に触れられたら、不満や不信感全て一瞬で消し飛ぶに違いない。男とは単純な生き物なのだ。
男「な、なんなんだ……いったい」
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