過去ログ - 【咲―Sski―】京太郎「今日から俺が須賀京子ちゃん?」【永水】
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66: ◆phFWXDIq6U[sage saga]
2014/02/12(水) 21:41:10.17 ID:cJv6xySVo

京太郎「(…バカ。今は考えるなって)」

そんな自分の思考を俺はピシャリと閉めきった。
こうして普通にしているとはいえ、俺は未だに長野での別れを引きずっているのである。
少なくとも、未だにあの最後を思い返すと涙が出そうになるくらいには。
それでもこうして平静を保てていたのは見知らぬ土地やまったく見えてこない状況への困惑と緊張があった所為だ。
それが薄れてきつつある今、心も緩み、長野においてきた仲間や思い出が胸を突く。

小蒔「どうぞ。こちらです」

それが表に出る前に応接間らしき場所に通されたのはきっと僥倖なのだろう。
外見と同じく純和風に仕上がったその部屋には年季の入った調度品が並んでいる。
黒ずんだ大きな机に立派な水墨画が描かれた掛け軸。
部屋に染み付いたお茶の匂いもまた歴史を感じさせ、い草で編まれた畳も心地良い。
決して派手さはないものの、何処か心を落ち着かせる温かい空間だった。

京太郎「それで…俺は一体…」

とは言え、俺の心はそれで落ち着けるような静かな状態じゃなかった。
さっきから新しい謎がひっきりなしに出てきて軽く混乱しているんだから。
流石に泣き喚いたりするほどじゃないが、背筋には嫌な予感がひしひしと伝わってきている。
オヤジとの電話の時にも感じた底なし沼に落ちる感覚はより気持ち悪さを増して、俺の心を揺さぶっていた。
結果、俺は神代さんからもらった座布団の上で正座をした瞬間、待ちきれなかったようにそう切り出す。


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