過去ログ - 【咲―Sski―】京太郎「今日から俺が須賀京子ちゃん?」【永水】
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72: ◆phFWXDIq6U[sage saga]
2014/02/12(水) 21:44:09.48 ID:cJv6xySVo

「いいえ。関係あるのです。古くから須賀家はそうやって神代家から援助を受けてきたのですから」
京太郎「援助…?そんなの…俺が知るかよ…」

―― でも、思い返せばおかしいところは確かにあった。

オヤジの仕事は貿易関係と聞いていた。
けれど、俺はオヤジが海外に出かけたところを殆ど見た事がない。
それどころか明確に何処の会社に勤めているかも教えてもらえないままだったのだ。
『男なんてのは秘密が多い方が格好良いもんだ』なんて自信満々に言っていたけれど、今から思い返せばアレは誤魔化しだったのかもしれない。
オヤジは仕事なんて何もしていなくて…最初から神代家からの援助だけで生活していたという事を隠し通す為の。

京太郎「(でも…俺は関係ない…関係ない…はずだ)」

確かにオヤジは神代家から援助を受けていたのかもしれない。
けれど、それはオヤジが返すべきものであって、俺には関係ないはずだ。
少なくとも…見知らぬ親戚に対して身売りされなければいけないほど何かをやった訳じゃない。
そんなの俺は知らなくて…だから…無関係なはずだろう。

京太郎「頼むよ…長野に…皆のところに…返してくれ…」

…冷徹に情報を突きつけてくる石戸さんの言葉を俺は、少しずつ否定する事が出来なくなっていた。
俺は間違いなく両親に売られて…ここで過ごす事になったのだと言う事を。
このあまりにも理不尽な言葉の群れが現実以外の何者でもないという事を。
はっきりと骨身に染みて…理解し始めてしまったのである。
結果、完全に心折れた俺の口からそんな弱々しい声が漏れ…目尻から何かが流れていく。


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