過去ログ - 小日向美穂「失恋ビターショコラ」
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3: ◆CiplHxdHi6[saga]
2014/02/14(金) 00:06:03.55 ID:PtLp0orv0
少し苦いぐらいがちょうど良い――。まるで私自身のことを言っているみたいだ。

「初恋はレモン味って、嘘だったなぁ」

昔からあるフレーズに愚痴を言いながら私はチョコをかき混ぜる。ほんのり苦い味に反して甘い香りが私を包み込んだ。

酸っぱさの中の甘さじゃなくて、甘さの中にほろ苦さ。それが私の初恋だった。公園の樹の下で日向ぼっこしているところをプロデューサーにスカウトされて、未知の世界へ足を踏み出して。はにかみ屋で緊張癖のある私を彼は素敵なアイドルにしてくれた。
一杯笑い合って、時々喧嘩もしたけども彼と過ごしてきた時間はとても尊いものだった。二人三脚で過ごしていくうちに、私は彼に対して仄かな恋心を持つようになっていた。

アイドルとプロデューサー、決して許されない関係であることが余計に私の恋心を増長させた。私にとっての彼が特別な存在であるように、彼にとっての私も特別な存在だって、勝手に思い込んで。
よくよく考えたら、なんと滑稽な姿だろう。プロデューサーは、私が思っていた以上に大人だった。いや、私が子供過ぎただけかもしれない。


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