3:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/02/15(土) 00:20:23.48 ID:lf+VB/Zqo
「泰葉。一位のご褒美をやろう。何がいい?」
「別に何もいりません」
泰葉は読んでいる本から目も話さずに担当の言葉に答える。彼はため息
を漏らして、聞こえよがしに呟く。
「ヘイヘイ、トップアイドルの岡崎泰葉様にやってあげられることなん
てこんな惨めな私には何もありませんよっと」
「子供みたいにすねないでください」
「すねたくもなるわ。知ってるか? 俺の世間でのあだ名」
「なんですか?」
「女王様の衣装のほつれた糸くず」
本を読んでいた彼女もこれにはさすがに失笑した。
「プロデューサーなんて所詮裏方だからさ、別に評価されたいわけじゃ
ないけどいくらなんでもひどいだろ?」
「そうですね」
「だからさ、せめてこの傷心を癒すためにもお前に何かやってやりたいんだ」
「でも私に何かしたところであなたの評価が変わるわけでは……」
「自己満足だよ、自己満足」
泰葉から見て、自分の担当である彼の評価は世間のそれと同じではない。
むしろ自分をアイドルとしてここまで育ててkるえた大切な人なのだ。そん
な彼が落ち込んでいる。泰葉は読んでいた本にしおりを挟み、本を閉じた。
「では何か面白い話をしてください」
「面白い話? 何でもいいのか?」
「はい、何でもいいですよ」
彼は椅子を持ってきて、彼女に正面に座る。どうやらやる気はあるようだ。
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