過去ログ - 妹「完璧すぎる兄は○○である」
1- 20
40: ◆ZuU1SJY84s[saga]
2014/03/26(水) 01:05:04.76 ID:jMyPHTM20
反応は…無かった。いや、ないのが反応だった。教室にいる私を含め、全員が止まったような気がした。思わず息を飲む、何か間違ったことをしてしまった時の罪悪感、後悔、動揺。マイナスのイメージが膨らんでいく。私が何をしてしまったのか検討が付かない。


宮坂「…うそ」


嘘とはなんだ嘘とは、いきなり嘘と言われ少し不機嫌になる。ぽかんと口を開けて驚いている宮坂はいつもの彼女のイメージからかけ離れていた。しかし、そんなことはどうでもいい。ちょっといいかしら?どういう意味で言ったのか聞いてやろうじゃないか、こちとら聞くだけでも勇気いるんだ。その辺を分ってほしい。目を細める、睨んでいるわけではない呪おうとしているのだ。
妹の目線に気づき、宮坂は大げさに手を振る。


宮坂「ち、ちがうの。その…美鈴さんって私達と話さなさそうな感じだったから、今の顔、可愛かったし、え、ええ?あれ???わ、私、何言ってるんだろう?ち、違うのそういうこと言いたいわけじゃなくて!」


宮坂はクラスの同意を得ようと後ろに振り向き、グループを作っている女子の一人が宮坂と目があった。だが彼女もまた、急なことに答えられずにしどろもどろになる。そうか、そういえば、人って本当にどうしたらいいかわからない時、ほかの人にキラーパスする生き物だった。しかも相手が答えられないときはどんどんそれが伝染する。
クラスがざわつく。明らかにこの教室だけパンデミックが起っている。病原体は私。まずい状況になった事を今更ながら実感し始めた。
今まで陰に隠れるように過ごしていたのに、何がきっかけでスポットライトが当たるかわからない。


「み、見たよな?」「ああ、すっげぇ」「初めて見た」「美鈴さんって笑うとあんなに可愛かったんだ」「ちょっとずるいよね」


宮坂は顔をヒーターの前にずっといたような人と同じぐらいに真っ赤にする。そして私も負けじと真っ赤にした。お互いが顔を真っ赤にして居る。肝心の聞きたいことを私に聞けず、この騒動の中心人物となってしまった宮坂さんと私は俯いてしまう。
可愛いってなんだよ、誰に言ってんだよ、やめてよ、私を見ないでよ。
目を真っ赤にして今にでも泣き出してしまいそうだった。クラスの人たちは気づいていない。私の中で過去のトラウマが蘇る。あの時の、クラスの笑い声。苦しい、脈が早くなるのが分かる。心臓が全力疾走した時と同じぐらい早く動いていた。


「来て、美鈴」


手を掴まれた。強引にぐいっと引っ張られる。その拍子に立ち上がってしまったせいで椅子が勢いよく倒れる。その音に教室は盛り上がりかけた勢いと止めた。


静琉「驚かせてごめんね!ちょっと生徒会で急ぎの用件があってみーちゃん!手伝って」


それこそ嘘だと気づいていた。私を最初に呼んだとき呼び捨てだったのがいい証拠だ。倒れた椅子を戻さずに廊下へと連れて行かれた。ついでに、下を向いて歩いてねと言われる。親友のお陰で私は、クラスメイトの目の前で泣かずに済んだようだった。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
56Res/43.18 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice