過去ログ - 千早「先生と私」
1- 20
20:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/02(日) 20:49:21.45 ID:bEFC5GTXo
「先生、私、本当に時々……時々なんですけど」

 隣に座る先生の眼を見る。私はこれから残酷なことを言う、と目で合図すると、
先生は少したじろいだ。立ち入ったのは先生だ。私は彼の手を引く。

「優が最初から生まれていなければ、こんな風にはならなかったのかと、思うんです」

 お母さんは、未だに優の話をする。お父さんにはそれが耐えられなかった。私にも。

「お父さんもお母さんも仲良しで、私も……」

 私も。私。私は、何だったろう。

「……私も合唱部で仲良くおしゃべり出来たんでしょうか」

 溜息を吐いた。優が生きていても、最初から居なくても、私のこの底意地の悪さは変わらないだろうか。

「千早は、優くんのために歌を?」

 先生のその質問は、今まで意識しなかったことだった。だけど、不思議としっくりきた。

「……そうかもしれません。謝る代わりに、歌い続けるのかもしれません」

 それこそ天まで届くように、と自分の安っぽくポエティックな言い方に自嘲的な笑みが零れる。
 優はもういないのに。天にもいない。何処にも。

 チャイムが鳴った。いつもの鐘の音が鳴った。
踊り場の空気はいつもより少し冷えていて、少し重かった。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
28Res/29.76 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice