2: ◆HmDjqt09PA[saga]
2014/03/03(月) 00:32:56.99 ID:oBQCjzsb0
上条当麻は、不幸な人間である。
それゆえ、早くから自分という人間がわかっていた。
自分は疫病神で、不幸を寄せ付ける。
自分は絶対に幸せにはなれない。
そんなことを、5歳の頃には悟っていた。
お寿司屋さん、お花屋さん、ケーキ屋さん…。
幼稚園の廊下に張り出された十人十色の夢の中に、小さく、『金』とだけ書かれた紙があった。
こんな自分が幸せになるとすれば、もうお金しかないんじゃないか…。
幼ながらにそう思ってしまうほどに、少年は人生に絶望していた。
少年は父と母の顔も名前も知らない。
ずっと昔に死んだ。ということだけは、知っていた。
小学校に上がるまで育ててくれた親戚は、『置き去り』という形で彼を施設に預けて姿を消した。
いつか捨てられるであろうことは、早くから予期していた。
彼はそのことを恨んでいないし、むしろここまで面倒を見てくれたことに感謝すらしていた。
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