過去ログ - パワポケ「私立NIP高校?」(お試し版)
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200:アルバム奈津姫[saga]
2014/03/03(月) 22:42:23.57 ID:Ee5a71GD0

 しかし、

奈津姫「……あの子の最後は笑っていましたか?」

風来坊「!?」

 男は驚く。なぜなら彼女は親友の秘密を知らないはずなのだから。

奈津姫「……知っていましたよ。あの子が普通じゃないことぐらい。
    だって昔からの親友なのに、ある年以前の写真がまったくないんですもの」

 彼女は笑っていた。風来坊の反応から自分の予想が当たった悲しみを隠すように。

風来坊「…………泣かせてしまいました。最後の最後に、悔しいなあって言い残して……」

 おそらく男が隠していることなんて全てお見通しなのだろう。
 男は素直に真実を伝えることにした。

奈津姫「そうですか……よかった。あの子強がりですから。
    最後にその言葉を聞けたってことは、あの子もきっと幸せだったんですよね」

風来坊「……もう少し長く生きられれば、もっと長生きできる方法があったとしてもですか?」

奈津姫「ふふ、それこそあの子はロマンがないって言いますよ」

風来坊「……そうですね。ではまた」

 全て話し終わり男は去った。
 これからもこのカレー屋は末永く受け継がれていくだろう。
 月日が流れ、人々の記憶が薄れればこのカレー屋の名前の意味もまた、すべて忘却の彼方へと去っていく。

 一人の風来坊と母子の物語も失われる物語のエピソードのうちのほんの一部にすぎない。


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