134: ◆dINyckyVoNyT
2014/05/09(金) 01:55:53.35 ID:rZISJJJP0
新人「………」ゴクゴク
兄「………」
兄(出来るだけ腹すかせて帰らねーと……妹に悪いな)
兄(一応、少し遅くなるとは伝えてあるし、問題はない)
新人「……ぷはぁ……」
兄「結構いったな。お前弱いんじゃあなかったっけ」
新人「は、はい。ちょっと……緊張しちゃって……」
兄「何も緊張する事なんてねーよ。先輩後輩、上司と部下。それだけだ」
新人「それだけ……ですか……」
兄「お前は、俺のどこがいいんだ?」
新人「……兄さんは……私が入ってすぐ、右も左も分からない状況の時、色々な事を教えてくれました」
兄「………」
新人「わ、私、はっきりしてなくて……学生の時もドジばっかで、みんなに迷惑かけてて……会社でも、何回もミスしてました」
新人「それでも兄さんは『ゆっくりでいいから出来る事をやれ…まずそれからでいい。手が回らねーなら俺がなんとかしてやる』って、色んな人に頭下げながら、私の事を手伝ってくれました」
新人「それに、ダメな私をいっぱい励ましたり、ちゃんとしなきゃいけない時はいっぱい叱ったりしてくれました……」
新人「……そんな、優しい………」
兄「はー…………」
新人「あ、や……すみませんっ。何か……気に障りましたか?」
兄「俺は会社の為にやってただけだし、ちゃんと独り立ちしてくれねーとマズいから色々やっただけだ」
兄「いいか?俺は優しい人間じゃあない。お前の中で作ってる程偉い人間じゃあない」
新人「でもっ…」
兄「あと……想いをぶつけた所で、俺は絶対に応えない」
新人「っ!」
兄「俺には、心に決めた相手がいる。そいつが答えを出すまで、俺は待たなきゃあならない」
新人「答えを出すまでって……兄さんが、待ってるんですか?」
兄「ああ、俺が待ってる」
新人「………もし、答えを出した時、兄さんじゃあなかったら……」
兄「そん時はそん時だ。その辺りはそいつの自由だ。誰を選ぶのかも」
新人「………………じゃ、じゃあ…」
兄「おっと、答えが俺じゃなかったら……なんてもんに乗っかるんじゃあねーぞ」
兄「俺が保険掛けてたら、心から信頼してねー事になる。それはソイツに対する裏切りだ」
新人「……………」ポロ
兄「悪いな。俺はお前の理想じゃあない」
新人「…」ポロポロ
兄「俺は卑怯だ………。今まで黙ってて悪かったな」ガタ
兄「飯代とタクシー代は置いてく……ちゃんと帰れよ」
新人「………」
兄「俺みたいな人間と、付き合って損する事はねー。じゃあな」スタスタ
新人「…………………………………………………」
兄(……甘い顔すんのも、ココまでだ。俺はちゃんと待たなきゃあならない)
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