過去ログ - 【ストパン】土方圭助の憂鬱 その3【土方×もっさん】
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29:坂本圭助 ◆SWi.TNPI7Y[saga]
2014/03/16(日) 01:51:52.26 ID:ZkQhkJ6C0
「土方、では行くぞ」
「は」

軍楽隊の演奏に贈られながら、二式大艇に乗り込む私と坂本少佐。
タラップを登る少佐は、ふと歩みを止めると振り返り、そのまま横須賀の街並みを眺めている。

「…………」
「少佐?」
「わたしは……この風景を再び生きて眺めることができるのだろうか」

そう言う少佐の瞳は心なしか潤んでいるようにも見えた。
その表情は、北郷中佐が仰ったどこか危うげなもののように見える。
私は思わず口を開いていた。

「必ず……少佐はここに帰ってきます」
「ほう…………随分自信たっぷりに言い切るではないか」

私の言葉に、少佐はどこか嬉しそうに笑う。
私は言葉を続けた。

「私が必ず……少佐をお守りしますから」
「なっ…………」

そう言ったきり絶句したように沈黙する少佐。
数秒間の沈黙ののち、少佐はどこか慌てたように再び前を向くとタラップを登り始めた。

「き、貴様…………急に何を言い出すか馬鹿者!」
「急にではございません。私はいつもそう思っております。確かにともに戦うことは叶いませぬが、それ以外の問題からは、私がこの身に代えてもお守り申し上げます」
「…………そうか」

乗り込み前に小さくつぶやいた少佐のその声は、二式大艇のエンジン音に紛れて空に消えていった。



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