過去ログ - 【ストパン】土方圭助の憂鬱 その3【土方×もっさん】
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坂本圭助
◆ENoaiFO/XE
[saga]
2015/12/05(土) 13:48:38.09 ID:lgVfjOaf0
「少佐……」
少佐からは私の姿は見えないはずだが、私の声に反応して少佐はびくりとなったように身体を硬直させる。
その姿に一瞬足が止まりかけるものの、心を奮い立たせると、私は少佐の前に立った。
少佐は私と目を合わせまいとするように、再び立ち上がって駆け出そうとする。
しかし、さすがに私も2度も同じミスはしない。
駆けだそうとする少佐の手をつかみ、強引に押しとどめる。
「土……方…………」
そう呟いて恐る恐る振り返った少佐の表情は、まるで年端もいかぬ少女のように恐れと怯えに彩られていた。
少佐の言葉には答えず、私は声をかける。
「坂本さん」
「私は……貴様に…………ひどいことを……すまん……八つ当たりだとは分かっているのに」
そう言いつつ再び視線をそらそうとする少佐。
「坂本さん、私は」
「私は……もう……戦えないのか?501の11人の一人ではいられないのか?」
「少佐!!」
少し強めに叫ぶ。
私の言葉に怯えるように硬直した少佐の肩を両手で掴み、強引に私のほうを向かせる。
正面から見た少佐の目尻にはうっすらと涙が浮かんでいる。
その涙を見たとたん、私の感情を押さえ込んでいた箍のようなものが外れる音が聞こえた気がした。
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