過去ログ - なずな「シロツメクサの願い」
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56: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/04/22(火) 23:14:14.56 ID:m5zmGWAm0


 夜明けの僕ら

                                         橘 文
   

 太陽が街中を赤く染めながら、音もなく西の空に沈んでいく。
 校門の前の道に佇み、朱色に染まる校舎を眺めるのはもう日課になってしまった。フィルムを早送
りするような速さで伸びていく私の影が街路樹の幹に重なり、今日最後のチャイムが響く。毎日見か
ける白髪の用務員さんが校門を閉めるのを見届けると、小さくさよならと呟き、踵を返して帰路に就
いた。
 3月とはいえ吐く息は仄かに白く、まだ冬の寒さを残していた。あと何週間かすれば桜の咲く陽気に
なるだなんて信じられないな、なんて考えていると、ポケットの中で携帯が震えた。

……





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