過去ログ - 梓「経線上のアリア」
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7:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/05(水) 00:46:57.30 ID:kVbbRwGOo

 サッカーボールだった。
 それを拾い上げると向こうから坊主の子が走ってくるのが見える。

 私はそれを蹴ろうとして、
 手渡そうかとも思って、
 結局投げた。

 投げても男の子たちの居る方まで届くとは思えなくて、
 わざと数メートル先の地面でバウンドさせた。
 意外と遠くまで跳ねたボールを
 短パンの子が体当たりするようにキャッチすると、
 坊主の子がまだ高い声でなにか云い、手を振って背中を向けた。
 残されて妙にむなしさがこみあげた。
 いっつもこうだ。

 律先輩なら迷いもせず声をかけて蹴っとばせるだろうし、
 澪先輩なら坊主の子が追いつくまで待って手渡しただろう。
 ムギ先輩なら?
 あの人、ひょっとするとボール持って男の子たちの中に入って行っちゃったりして。
 さすがにそれはない、ってことは言えない人だ。

 じゃあ、あの人は?
 携帯を……開こうとして、
 手を止めた。



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