42: ◆msERmnjtBE[saga]
2014/03/08(土) 15:32:46.80 ID:Qzu6s8XU0
夜。
『その姿はかつて放送されていたテレビ番組のキャラクター、『ウルトラマンタロウ』に酷似しており――』
テレビには、コメンテーターの会話を挟んで、地元局に撮影されたウルトラマンと怪獣の戦いが延々と流れている。
43: ◆msERmnjtBE[saga]
2014/03/08(土) 15:33:45.14 ID:Qzu6s8XU0
梓(お腹空いたなあ……)
そろそろ夕飯と行きたいけれど、あいにく両親は旅行中で明後日まで帰ってこない。
梓(外で食べよっかな)
44: ◆msERmnjtBE[saga]
2014/03/08(土) 15:34:38.84 ID:Qzu6s8XU0
梓「えっ……だってこれ、40年前の番組で、」
頭が混乱してぐちゃぐちゃになる。
常識的に考えて彼が俳優さんだったとしても、今はもう60歳過ぎのはず。あんなに若いはずがない。
だとしたら彼は他人の空似か、はたまた幽霊か。
45: ◆msERmnjtBE[saga]
2014/03/08(土) 15:35:48.43 ID:Qzu6s8XU0
一瞬自分が呼びかけられたのかと思ったが、そうではなく。
声のした方を見ると、何やらサラリーマンの方々によって人だかりができていた。
『私も息子もファンなんですよ〜』
46: ◆msERmnjtBE[saga]
2014/03/08(土) 15:37:07.25 ID:Qzu6s8XU0
梓(もう、なんて日なの……!)
怪獣が出るわウルトラマンが出るわ、おまけにその当人に会うなんて――
梓「ちょっとお兄ちゃんっ!」
47: ◆msERmnjtBE[saga]
2014/03/08(土) 15:38:29.41 ID:Qzu6s8XU0
…………………
梓「……っ、はぁっ、はぁ……」
光太郎「なんとか撒いたみたいだ……」
48: ◆msERmnjtBE[saga]
2014/03/08(土) 15:39:07.85 ID:Qzu6s8XU0
………………
光太郎「うまい!いやあ、本当にうまいなあ!!」
梓「あは、良かったです」
49: ◆msERmnjtBE[saga]
2014/03/08(土) 15:40:38.55 ID:Qzu6s8XU0
突っ込みどころは山ほどあるが、果たしてどこから……
梓「どうぞ。麦茶で申し訳ないですけど」
光太郎「ありがとう」
50: ◆msERmnjtBE[saga]
2014/03/08(土) 15:41:20.46 ID:Qzu6s8XU0
梓「えっと……じゃあまず名前から」
光太郎「東光太郎だ。よろしく」
梓「中野梓です。よろしくお願いします」
51: ◆msERmnjtBE[saga]
2014/03/08(土) 15:43:13.90 ID:Qzu6s8XU0
梓「あ!いえ……その、ものすごく変な質問になるんですが」
光太郎「……僕の、正体のことか?」
梓「!? どうして」
52: ◆msERmnjtBE[saga]
2014/03/08(土) 16:06:09.46 ID:Qzu6s8XU0
光太郎「もっとも、光太郎とはいろいろあって別れたんだ。だから、今は東光太郎の姿を借りている」
梓「――そうなんですか」
梓(どうしよう。まさかこんな食卓で未知との遭遇やるなんて)
296Res/143.88 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。