過去ログ - ビッチ「パンツ見せたげよっか?」オタク「…ふっ」
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84:1[saga]
2014/03/29(土) 21:08:47.32 ID:QHmGlIC/0
「着いた…」

着いてしまった。
いっそこのまま永遠に着かなければよかったのに。あぁ、こんなときは方向音痴の人が羨ましくなるな。「道に迷って着けませんでしたテヘペロ」って言えば許されるもんね。まぁ俺の場合はその限りじゃないけど。そんなことしようものなら部長女に本気で殺される。

現在地と、部長女から受け取った紙に書いてある住所を、そして扉の前にあるプレートを見て、間違いがないことを再確認。
ここまで来てしまった以上後戻りはできない…俺は意を決して扉の脇にあるインターホンをプッシュした。

「ぁーぃ…」

ピンポーンという特に変わってもいないチャイムの音につづいて、元気のない返事が聞こえる。多少しわがれてはいるものの、確かに先生の声だった。
とりあえず一安心。同性の別人っていう可能性もあるしね。部屋を間違えてたらお互いに「あんただれ?」っていうなんとも言えない微妙な空気を漂わせるところだった。俺の周りの空気はいつも微妙な感じだけど。
ガチャリという音とともに扉が開く。そこには予想していた通りの先生の姿が…なかった。

「あぁ…お前か」

ひどい。
その一言に尽きる。
何がひどいと言えば、髪はぼさぼさ服装はジャージという、これは婚期を逃していても仕方ないと言わざるを得ないような恰好だったこと…ではない。

「…今何か…失礼な、ことを考え、なかったか?」

息は絶え絶え、顔は青白く目はうつろ。立っているのも辛そうで扉に寄りかかってやっと体を支えているような状態だった。
いつも通りのツッコミにもまったく覇気がない。

「先生…大丈夫、ですか?」

「なん、だ?心配して…お見舞い、にでも、来たのか?ははっ…意外、だな」

そうやって笑う姿ももはや痛々しい域に達している。どうみても大丈夫ではない。

「っ…う」

俺が何もできずに突っ立っていると、頭を押さえて呻き声を上げ…と、思ったら、こちらに倒れこんできた。

「うお、せ、先生!?」

「…」

返事がないただの屍のようだ。
ってそんな冗談かましてる場合じゃねぇ!

「気を失ってるのか?」

ここまでひどいとは思っていなかった。これ本当にただの風邪か?

「とにかくこれはマズイ…とりあえず横に寝かせないと」

そう思った俺は先生を抱えて部屋の中に入っていった。



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