過去ログ - 一夏「出会いが人を変えるというのなら――――――」
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367: ◆G4SP/HSOik[saga]
2014/03/17(月) 09:25:14.85 ID:TGLi8lbx0

箒「私は、私は――――――!」

箒「私はあああああああああああああああ!」


――――――また逃げた。


自分が何をやっているのかは自分でよく理解していた。

だが、止められなかった。血迷った箒に自分を止める術はない。それを知らない。

やり直しが利かないと思い込み、ズルズルと自分の力だけで状況を打開しようとしてジリ貧になっていっている。敗け分を独力だけで取り戻そうと必死である。

まるで、ギャンブルで勝つまで止められずにやがて一文無しになる 引くことを知らない愚か者である。

だがそれが、この少女にとっての日常であり、安息でもあった。

引くに引けない状況にまで追い込み追い込まれ、どうしようもなくなっても、保護者である担当官“グッチ”さんがまた新しい場所を用意してくれる。

そして、“グッチ”さんはそんな少女の咎を全て許し、全てをリセットしてくれるのだ。

それが幸か不幸か、善か悪かは読者の判断にお任せする。

だが、今この少女が必死なのは本当のことである。

やがて、箒の猛追が『銀の福音』をついに単機だけで追い詰めたのであった。


福音「!!!!」

箒「はあああああああああ!」

箒「――――――はっ!?」

福音「!!!!」グググッ

箒「……こいつ!(――――――馬鹿な!? 剣を掴んで抵抗するだと!? しかも『紅椿』と互角以上の力がある!?)」

セシリア「あれだけ密接していては誤射してしまいますわ!」

簪「箒、武器を捨てて離脱して! このままだと格好の的だよ!」

簪「あ……、そうだ。通信が――――――!」

セシリア「箒さん!」

簪「そんな…………」


しかし、少女の全身全霊の猪突猛進もそこまでであった。

『紅椿』の性能は理解できても、戦場でのペース配分や出力調整は専用機をもらったばかりで実戦経験に乏しい箒にできるはずがなかった。

確かに『紅椿』は箒の意のままに動き、その圧倒的な性能を発揮しているが、機体には備わっていないそれ以上のことは発揮されることは絶対にない。

かくして、やっとの思いで追い詰めたのだが、そこで息切れを起こしてしまうのであった。

そして、自分で通信を切ったことに激しく後悔しながらも、やはりズルズルと独断専行し、最終的には追い詰めて逆にチェックメイトを受けることになったのだ。





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