過去ログ - 一夏「出会いが人を変えるというのなら――――――」
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379: ◆G4SP/HSOik[saga]
2014/03/17(月) 09:43:40.64 ID:TGLi8lbx0

――――――夕陽の海岸


箒「………………くぅ」

タッタッタッタッタ・・・

箒「はあはあ…………」


一夏『久しぶり。6年ぶりだけど、すぐに“箒”ってわかったぞ』ニッコリ

箒『え……』カア

一夏『ほら、その髪型、昔と変わってないし』

箒『!』

箒『よ、よくも憶えているものだな……』テレテレ

一夏『いや忘れないだろう、幼馴染のことぐらい』


箒「………………」グスン

箒「私にはもう、このリボンを付けている資格は、ない」シュルシュル・・・

バサァ・・・・・・

箒「これで、本当にただの“篠ノ之 束の妹”となったわけだ…………」ハハハ・・・


――――――ドン底である。

篠ノ之 箒は未だかつて経験したことがない逆境に立たされていた。

“憧れの人”からのせっかくの忠告の数々を無視し続けてきた過去の行いへの大きな後悔と罪悪感に苛まれていた。

だが、これは“篠ノ之 箒”にとっては、大きな経験となっていた。


大切な人を失うことで、少女は初めて自分の非を認め、悔いたのである。


だがその一方で、“篠ノ之博士の妹”とでしか見られていなかった少女が、自分を“篠ノ之 箒”とする何よりの証“ファースト幼馴染”を自ら捨てようとする。

彼がいたからこそ、今日まで自分は重要人物保護プログラムの耐え難い苦痛を耐え続けて“篠ノ之 箒”としていられたのに、

その彼を失った以上、もうこれからは“篠ノ之 箒”であり続けることはできなかった。できそうもなかった。

――――――他でもない、自分の過失によって失ったようなものだから、尚更。

今、夕陽の海岸に佇む少女は、“篠ノ之博士の妹”という当人にとって全く無価値なレッテルだけを残された、何者でもない“篠ノ之 箒”であった。





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