30:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/23(日) 12:04:26.25 ID:+rKPgnK90
入院生活(と言っても上条が目を覚ましてからだが)は三日目となっていた。
もうすでに病院を歩き回れるくらいには回復しており、上条としてはすぐにでも退院をしてもいいのだがカエル顔の医者に、様子見として一週間は居ろと言われているのだ。
土曜日ということもあり昼間から青髪ピアスが下宿先で焼いたというパンを土御門と3人で食べながらふざけた話をして時間を潰した。
今日は美琴は来ない。毎日来るとは一言も言っていないし、そもそも毎日来てもらっても美琴に悪い。
だが、早く来ないかな。と期待してしまっている自分がいることは上条自身解っている。
それが何故かと聞かれれば答えられないので、それ以上は考えなかったが。
そんな所で病室の扉が開く。医者が来る時間でもないので美琴かな、と上条は思った。
「ごめーん遅くなって、待った?☆」
(…………)
『キャピッ☆』という擬音が似合いそうな、ナースコスの美琴が白い花束を持って登場した――――――わけではない。
「……何してんだ御坂妹」
「おや、やっと見分けがつくようになりましたか」
ナース服を着ているし花束を持っているが、髪は美琴よりも短めである。
今まで上条が、美琴と御坂妹の見分けが付かなかったのは表情以外、瓜二つだったからである。
そもそも美琴はあんなこっ恥ずかしいマネはしない。もしやろうものなら顔を真っ赤にしてビリビリするに決まっている。
御坂妹はいつのまにかアイドル紛いの作り物の笑顔から冷めた、上条もよく知っている表情に変わっていた。
「現在私はこの病院で看護師見習いとして働かせて頂いています。この病院にいる他の妹達も同様です」
そんな身の上話をしながら持ってきた花を花瓶に挿している御坂妹の一人称は変わっているし、語尾の『〜〜とミサカは』というもの無くなっている。
「……それにしても、お姉さまのツンデレには困ったものです」
「美琴?」
「実はこの花、先ほどお姉さまが持ってきたのですが、恥ずかしくて渡せなかったようで私に押しつけやがりました。お姉さまが持ってきた事は内緒にしろと言っていましたが、ばらした事は内緒にしていてください」
「あ、ああ。わかった」
「それでは、他に仕事が残っていますので、私はこれで」
御坂妹が出て行った後、上条は花瓶に挿された白い花を見ると、それはカーネーションであることに気づいた。
顔がにやけた。それは友人との再会があったからか。カーネーションが綺麗だったからか。それとも。
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