12: ◆4z2E.PK0ZYHD[saga]
2014/03/09(日) 01:53:48.25 ID:lp9qmKb80
スーパーで買い物をして、僕たちは家に帰った。
今おねえさんはキッチンで食材を切っている。スーパーで「何が食べたい?」としきりに聞いてきたから、多分親子丼を作ってくれてるんだろう。
ジュウジュウとつゆの煮える音といい匂いが家の中を満たす。
料理は中学生になる少し前から今までずっと僕がしていたから、とても懐かしい感覚だった。
「何だお前、泣いてるのか」
丼をちゃぶ台の上に置いて、おねえさんが驚いたような顔をする。気が付くと僕は泣いていた。
「ホームシックか?」
違います、とだけ声を絞り出して丼を掻き込んだ。美味しいのと舌をやけどしたので、涙が止まらなかった。
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