過去ログ - ノスタルジックおねえさん
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5: ◆4z2E.PK0ZYHD[saga]
2014/03/09(日) 01:19:06.23 ID:lp9qmKb80
次の日の昼下がり、おねえさんは僕を隣町の商店街に連れて行った。

「ここは作られた懐かしさだけど、それでもちょっと落ち着くんだ」

ボール電球形のLEDから発せられる淡いオレンジ色の光に照らされた真新しいレンガ舗道を眺め、おねえさんは目を細める。

しばらく商店街の大通りを歩いて、横道に入る。

そこは懐かしいと言うより朽ち果てたと言った方が正しいほどにボロボロだった。

低い天井から垂れ下がる薄暗い裸電球、ひび割れてはがれたレンガ舗道、僕たちを挟むように立っているベコベコのシャッター。

大通りから感じられた懐かしさがおねえさんの言った「作られた懐かしさ」だということが無理やりにでも理解させられるような場所だった。

「やっぱりこういう所が落ち着くな、私は」

心から落ち着いたようなおねえさんの笑顔は、どこか遠く感じられた。



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