32:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga sage]
2014/03/13(木) 13:31:44.26 ID:Ih8wVldDO
〜 それからまた十分後 〜
アルラ2「ねえねえ?」
アルラ5「それでそれで?」
アルラ6「もっともっと!」
アルラ7「おしえておしえてー」
少女「うぐぐ……話しても話してもキリがない。この子たち無邪気すぎる……」
ババ「子育ての辛さを体験中かい?」
少女「はっ!? 天の助け!」
渡りに船とばかりに少女はさっとアルラウネ集団から離れた。
アルラウネたちが背後でブーたれるが、少女はそれをスルーしながら魔女に歩み寄る。
少女「ありがとうございます、あの子たち好奇心が強くてずっと質問ばかりしてきて」
ババ「よいよい、ところで古着を持って来たのじゃが、その格好は?」
少女「は、はい、おっきな植物の葉っぱを使って胸と腰まわりを適当に隠してみましたのですけど……」
原住民的なファッションで迎えた少女に、魔女はふんふんと感心したように頷く。
少女はおずおずと訊ねてみた。
少女「へ、へんですかね?」
ババ「いや、大丈夫じゃよ? 切り株に浮かぶジジイの顔が紳士状態になっておるくらいじゃからな」
魔女が切り株を指差す。
少女がつられて見る。
当のジジイは触手で腕を作り、親指を立てて聖者の如き微笑を浮かべていた。
少女「全然大丈夫じゃない!?」
ババ「さて、それじゃ古着は戻してくるとするか」
少女「待って待って! いる! それ超必要です!」
ババ「ふむ? しかし似合うとも限らぬぞ?」
少女「でも葉っぱよりは胸や股関を上手く隠せるかなって」
てへへと少女が恥ずかしそうに自分の頬をかきながら答えると、魔女は急にブチ切れた。
ババ「なっ! よりによってエロ本の星型シールみたいな使い方じゃと!? ワシの服を何だと思っておるんじゃキサマー!」
少女「きゃっ!?
だ、だって、あなたまだ子どもだし、そのお古となるとサイズが……」
ババ「サイズ? ふんっ、自分の目で見てみよ!」
魔女が古着の両袖を持ってその場にばっと広げる。
ほうきで浮かんだ魔女は少女の頭よりもやや高くに位置する。
はたして、古着はその純白の生地をふわりと広げ、一着の立派なワンピースとなって宙空に佇んでいた。
少女「え? あれ?」
大きさ的にも少女が着る分に問題なさそうである。
もっと小さいのを予想していた少女が面食らっていると、魔女はそそくさとワンピースをたたみ直し、ぷいっと少女にそっぽを向けた。
ババ「おーおー、おかしいのう? お主にぴったりなサイズじゃと思っておったんじゃが、歳はとりたくないのう?」
そう言い残して魔女は広場を去っていく。
残された少女に選択肢は一つしかなかった。
少女「待って! 待ってくださいませ魔女様!! 前言撤回しますからー!」
少女はあたふたしながら魔女の後を追って走っていった。
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