72:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2014/06/05(木) 02:27:11.17 ID:Cgw/DQ3DO
〜 それから十分後 〜
アルラ7「むぐぐ……」
アルラウネは後ろ手に縛り上げられていた。
ついでに両脚も縛られ、口には念入りに猿轡も噛ませられている。
御者「ど、どうしますか?」
商人「どうって……うん……」
御者と商人は見た目幼女と変わらぬアルラウネからやたらと距離を取り、ひそひそと小声で会話する。
御者「つい捕まえちゃいましたけど、もう荷台から捨ててしまいましょうか?」
商人「し、しかし勿体ないとは思わないか?」
御者「勿体ない? 何がですか?」
商人「いやな、せっかく捕まえたのだから何か有効活用出来ないかと」
御者「バカは頭だけにしてください。魔族を何に活用するんですか?」
商人「そう、だな……、いやコイツ見た目は人間と大差無いし、力も弱い」
御者「まさか、売るんですか?」
商人「どの道、今から『似たようなもの』を揃えて町に持って帰るんだ。キワモノが一つ増えた所で……」
御者「……確かに、珍品が好きな相手もいますが」
商人「上手くすれば貴族連中にも取り入れるかもしれないぞ?
そうすれば雑用なんてやめて今すぐにでも商館の長に……」
御者「ま、まあ、考えは分かりました。それではこれからどうします?」
商人「決まっているだろう? 当初の予定通りに村へ行く」
御者「了解です」
話が終わると片方の男は御者台に、もう片方の男は馬車の隅に腰を下ろしてアルラウネを不安そうな目つきで見やって来る。
アルラ7「むー! むー!!」
びたーん、びたーん。
そんな中でアルラウネに出来る事と言えば、打ち上げられた突撃魚のように馬車の中を跳ね回り続けるだけだった。
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