過去ログ - 勇者「剣と魔法のトライバル・クロス」【安価あり】
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5:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/12(水) 21:06:31.33 ID:sVfeHHTo0


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委員長「えっと、つまり木の精霊は森だと自我が薄くなって、都会だと自我が強くなるの?」

勇者「そうだ。自分が司ってるものが近くにあると、意識が拡散してしまう。代わりに木さえ生えていれば遠くのものを見たり聞いたりできるけどな」


 勇者は膝の上に乗せている幼い少女から、反対側のソファに座っている虚ろな目の少女へと視線を移す。


勇者「だから『繊維』の精霊であるファイバーは、人間がたくさんいるところだと自我が薄くなる」

委員長「服も繊維の集まりだもんね。じゃあ森とかだと、もっと元気なの?」

勇者「鬱陶しいくらい元気だな」

委員長「へぇ〜」


 話が一段落したところで、勇者はチラリと時計を見る。


勇者「そろそろお昼休みも終わりだ。教室に戻れ」

委員長「はーい。先生、今日のお弁当はどうだった?」

勇者「最高にうまかった。良いお嫁さんになるな」

委員長「先生のお嫁さんにね♪」


 委員長は勇者の膝から降りると、黒くて大きな弁当箱の上に、ピンク色の小さなお弁当箱を重ねて胸に抱える。


委員長「それじゃあ、またね、先生!」

勇者「ああ」


 穏やかな笑みを浮かべて委員長に手を振っていた勇者は、彼女が退室した瞬間に一切の表情を消し去る。

 そして日光の射し込む窓から離れた壁際で、腕を組んでいる魔物の少年へと鋭い視線を突き刺す。


勇者「なにか言いたげだな、ダンピール」

ダンピ「へっ。いっそ清々しいまでのロリコンだなぁ、と思ったまでよ」

勇者「俺は委員長が10歳だから好きなんじゃない。委員長が委員長だから好きなんだ。俺が結婚するのは16歳の委員長だし、俺が74歳の時に委員長は60歳だ。何ひとつ問題は存在しない」

ダンピ「おいおいコイツぁ筋金入りだぜ……」

勇者「ガキは黙っていろ。ホモが感染る」

ダンピ「感染るかボケがぁ!! テメェふざけてっとぶっ殺すぞコラァ!!」

勇者「勇者を殺す? これだから魔物は頭が弱くて困る」


 ダンピールの小さな指から凶悪な爪がスラリと伸び、勇者の手が傍らに置かれた剣にかかる。

 すると今まで沈黙を貫いていたファイバーが、ほんの少しだけ顔を上げて、ポツリと漏らした。


ファイ「……どっちもどっち」


 バッサリと切り捨てるかのようなその言葉に、臨戦態勢だった勇者とダンピールはガックリと肩を落として殺気を収めた。

 と、その時。学校から勇者にあてがわれた個室の扉をノックする音が響いたのだった。



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