36:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/13(木) 17:35:26.07 ID:P7Z15p1h0
それから慌てて浴衣に着替えた俺たちは、お祭りに出かけ、目一杯出店を楽しんだ。
お祭りの料理って美味しいよね、大好きな人と一緒ならなおさら。
それとここだけの話。金魚すくいで跳ねた金魚が彼女の浴衣にスルリと入った時は、俺も店のオジサンもめっちゃ興奮した。
そうして待ちに待った花火の時間が、遂にやって来た。
隣で目を輝かせる彼女は星空よりも綺麗だ。
やがて花火がうち上がると、彼女は小さな手でたくさん拍手した。
俺は花火よりも無邪気な彼女を見つめていた。
「花火ちゃんとみてる?」
その一言を聞くまで。
それから俺は彼女を抱き抱え、花火に集中した。
彼女の髪が少しくすぐったかった。
しばらくして、最後の花火が夜空に散った。
帰り道、彼女は花火の余韻に浸り、とても上機嫌。
一方俺は、なんだか寂しさ、それとも虚しさだろうか?
ひどく曖昧な感情に不安を抱いていた。
それに、今夜は彼女の背中がやけに恋しく感じる。
「また、一緒に花火みようね」
突然振り向いて彼女は言った。
俺は彼女の手をとり、笑顔でかえす。
「これからずっとな」
彼女は照れくさそうに俺に寄り添った。
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