過去ログ - ロリババアといちゃりたい。
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49:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/13(木) 23:34:00.14 ID:G3Q/im2d0
二十年たった。
男の体に異変が起きた。

三十年たった。
男は立てなくなった。

四十年たった。
男はよく眠るようになった。

しかし雪女の体に変わりはなかった。
ただ、よく泣くようになった。

「大丈夫か?」

「あぁ」

「こんなに禿げて、しわくちゃになって、ガリガリになって…ぐす」

「笑えよ、笑えるじゃないか。俺もいよいよじいさんだ」

「笑えるか…あほ」

「なぁ…」

「ん?」

「あの日、俺が死のうと思った理由を聞いてくれないか」

「今さら別に聞きとうない…」

「頼む。聞いてほしい」

男は語る。
昔、俺の産まれた村では借金を返すのに、お金の代わりに人が使われることがあった。
その人がどう使われ、どこへ行くのか、その行方を知るものは誰もいなかった。
ある日突然隣人が消える。恐ろしくも、その村では当たり前のことだった。

そしてその頃まだ子供だった俺は、借金を背負うことのないよう、家の仕事を毎日手伝っていた。
山に登り、山菜や魚を採ったり、薪を拾った。
とても穏やかな山だったので、子供一人でも大丈夫だった。

そんなある日のことだ。
俺は偶然にも、仲の良かった女の子が殺されるところを見てしまう。
静かに、急いで山をおりた。
しかし俺はそれを誰にも言わなかった。いや、言えなかった。
なぜか家は村の嫌われものだったから。

…それから時がたち、遂に俺は一人になった。手元には僅かな金だけ。
これで生きろなんて無理がある。
だから俺は、昔助けられなかった女の子への罪滅ぼしも兼ねて、この山で死のうと思ったんだ。

「はじめは気が付かなかったよ。でも、一緒に過ごして少しずつわかった」

男は雪女の髪を優しく撫でた。
雪女はまた泣いていた。

「ごめん。助けられなくて」

雪女は首を振る。

「毎日楽しかった。ありがとう」

「うん…」

「嬉しいこともたくさんあった。ありがとう」

「うん…!」

「ずっと君と生きたい…」

「もちろんじゃ!」

「君と…」

「君と?」

俺はまた眠った。


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