14:シュバルツシルト半径、ガールズラブ、セルジオ越後[saga]
2014/03/14(金) 19:14:02.55 ID:csqj2yTco
>>13修正
去り際に、彼女は遠慮がちに尋ねてきた。
「最後に二つだけ良いですか?」
「ええ、良いですよ」
「あなたは僕に、FWにしては華奢すぎるとおっしゃいましたが、それは例えば女子サッカーだったとしてもそうなのでしょうか」
そう言って彼はスポーツバッグを腰の辺りまで両手で持ち上げた。
ちらりと彼が、いや、彼女が持ち上げたスポーツバッグを見ると、近くの女子校の名前が目に飛び込んできた。
「いえ、立派な体格だと思いますよ」
僕の言葉に「ありがとうございます」と元気に笑った。
「それで、もう一つは?」
「もう一つはですね、室内では帽子は脱いだ方が良いですよ。セルジオさん」
そう言って、彼女は「では、失礼します」と店を出ていった。
一人残された僕は、しばしぼうっと呆けていたが、やがて苦笑しながら帽子を脱ぎ捨てた。
彼女が残していったグラスの中で、氷がからりと朗らかに鳴った。
終わり
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