過去ログ - 海未「誕生日に菊の花を貰ってしまいました」
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以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
[saga]
2014/03/15(土) 01:36:43.40 ID:GSBZbNEV0
夕焼けはいつだって眩しくて、綺麗で、気高かった。
そんな風に西の空に沈んでいく太陽を眺めながら、ことりは約束の場所で海未を待ち続けていた。
結局昨日のレンガの家はなかったが、ことりはもう気にしてはいなかった。
きっと、不思議な何かだったのだ。今度希に相談してみよう――そんな気持ちぐらいしか、持ち合わせてはいないのだから。
「神さま神さま、もしことりの願いがかなうなら、どうか――」
ぎゅっ、と優しく抱きしめたのは、プレゼント。
きっともうすぐ海未はやってくる。
胸の高鳴りはもう抑えはしない。この気持ちを抑える必要なんてないから。
「お待たせしました、ことり」
現れた海未の恰好は、相変わらずお世辞にもおしゃれとは言えない服装。
シンプルで、控えめで、それが海未らしくて、ことりはほっと息を吐いた。
「えへへ、まずは一言、ね?」
きっと最高の笑顔で言える。
「ハッピーバースデイ、海未ちゃん!」
ことりは両手に持っていたプレゼントを差し出す。
ことりが出来る、最高級の、最上級の、とびっきりの、素敵な笑顔を添えて。
「ことり……ありがとうございます」
海未は例年通りの心から嬉しそうな表情でプレゼントを受け取る。
「帰ったら開けさせていただきますね」
相変わらずの礼儀正しさだったが、ことりはゆっくりと首を横に振る。
「今、開けてほしいな」
「今、ですか?」
呆気にとられた表情を浮かべる海未は、しかし気を取り直してリボンに手を掛ける。
するする、とリボンは解けてあっという間に白い立方体が姿を現す。
ことりの心は早鐘を打ち続けていたが、表情は笑顔だった。
「これは――プリザーブドフラワー、ですか?」
箱の中身を取り出した海未は、驚いた表情を浮かべる。
プリザーブドフラワーは高価なのでは、と口の中で呟く海未。
「この花……オオギク、ですか?」
ここからが、勝負。
スピカはテリブルを恐れない。自ら、扉を開けるんだから。
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