過去ログ - 海未「誕生日に菊の花を貰ってしまいました」
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以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
[saga]
2014/03/15(土) 01:52:53.32 ID:GSBZbNEV0
「ここなのですか?」
夕焼けの商店街は人もまばらになっていた。
海未とことりは更に商店街を進んで、もう人が通ることもないような商店街の外れまで差し掛かる。
今ここにいるのは、海未とことりの二人ぐらいか。
「うん、ここで不思議なおじいさんと出会って、プリザーブドフラワーを貰ったの」
ここ――昨日のレンガの家で、今は空き地の、静かな場所。
海未は一瞬考える素振りを見せて、ハッと顔をあげた。
「ことり、ここの事、覚えていませんか?」
「え?」
海未は微笑んで、空き地へと進んで行く。
その足取りは明るく、ことりは訳も解らず、しかし海未を追って空き地の中へ。
「ここは、私とことりが初めて出会った場所ですよ」
「ええええ!?」
「ふふ、ここでことりに暴言を吐いていた輩を追い払ったのですから」
海未は微笑みながら、振り向いて言った。
「ここ、ことりが転校してくる前はレンガの家があって、色々な花がたくさん咲いていたのです。私と穂乃果はここのお爺さんによくしてもらっていたのですよ?」
懐かしげな笑顔のまま、海未は続ける。
「で、お爺さんが亡くなった後、ここは空き地になって、その後ことりが転校してきて……ことり、下校途中によく自生している花に水をあげていたでしょう?」
「う、うん。でも、なんで海未ちゃんが知ってるの?」
「商店街では噂されていましたから。私たち以外にも、可愛い女の子が空き地の花を水やりしてる、と」
「は、恥ずかしい……」
海未は赤面することりに微笑みを投げかけ、言葉を続ける。
「きっとことりの優しさに応える為に、ことりに白昼夢を見せてくれたのでしょう」
「そう……なのかな? お花の恩返し、かな?」
ことりの言葉に、海未は思わずくすっと笑って。
「感謝しなくてはいけませんね、この空き地と空き地の花に」
「海未ちゃんが? どうして?」
「ことりという、花からも応援される程の優しさを持つ女の子に、誕生日をお祝いしてもらって」
「う、海未ちゃ……!」
ボッ! と真っ赤になることり。海未は悪戯っぽく笑うと、またもや携帯電話がピリピリと鳴いた。
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