32: ◆7z8ZeD4jWk[saga]
2014/03/27(木) 11:47:04.93 ID:MW8FWKPL0
現在。
曽根「なるほど。そいつは辛かったね。でもこう言っちゃ何だけど......。その2人が好きあうのは仕方無いんじゃないのかい?男と女がくっつくってのは、本人の気持ち次第なんだからさ?勿論、アンタをイジメてる事は許される事じゃないけどね」
光彦「ええ。それは分かってます。誰を好きになるかは、灰原さんの自由ですから。でも、コナン君はそれを......。それを」グスン
曽根「ど、どうしたんだい?」
光彦「コナン君はあの日から、僕が屋上で2人を見た日からこれ見よがしに灰原さんといちゃつく様になりました。目の前で手を繋いだり、抱き合ったり、キ、キスをしたり......。しかも......」
曽根「しかも?」
光彦「歩美ちゃんとも......。同じ行為を僕に見せつけて......」
曽根「なっ」
光彦「僕が2人を好きなのを知ってて......。う、ううぅ......」グスン
曽根「......」
光彦「おまけに、最初は無表情で見てるだけだった灰原さんが、だんだん僕がやられる様を笑って見るようになり、最近は自分から参加するように......」グスン
曽根「だ、大丈夫かい?」
光彦「何故僕がこんな目に......。何にも悪い事してないのに!いきなり無視されて、友達に裏切られて、殴られ、蔑まれ、好きな人にまでイジメられて、その好きな人まで取られて......」
曽根(何だかこの坊やを見てると思い出しちまうねぇ)
光彦「許せない、みんなが......。何よりコナン君が!あの目と笑いを見て分かったんです!彼が僕を貶めた......地獄に落とした犯人だって!」
曽根(花魁だった頃の......。人間だった頃の自分をさ。裏切られて、騙されて、ゴミの様に扱われて。そりゃ辛いのも無理無いさ。こんな子供がそんな気持ちになっちまうなんて。世も末だね)
光彦「いや、やっぱりコナン君だけじゃない!僕を裏切った灰原さんも歩美ちゃんも元太君も!学校も!この町も!許せない!許せ......。うっ......。ハァ、ハァ、ハァ......」
曽根「大丈夫かい?ちょっと興奮し過ぎたんじゃ」
光彦「だ、大丈夫です。大丈夫......」ガクッ
曽根「無理しちゃダメだよ、ちょっと休みなよ」
光彦「は、はい......」
数十分後。
光彦「......」スゥーッ
曽根「どうやら、寝ちまったみたいだねぇ」
光彦「zzz......」
曽根「でもまあ、話を聞いて何となく解ったよ。お嬢が現れない訳がね。アンタ、口では主にコナンって子に対する恨みが強い様に聞こえるけど、実際は違う」
きくり「どう違うのー?」
曽根「な、いたのかい?アンタ」
きくり「どう違うのー?」クスクス
曽根「この子は......。この坊やは、凄まじい強い恨みを殆ど同じ強さで複数の人間に抱いちまってるんだよ。お嬢でも判定出来ない程にね」
きくり「それでそれで?」ニコッ
曽根「地獄通信を使って人を流せるのは生涯にただ一度、対象は1人きり。なのにこれだけ恨みの対象がいたんじゃあ、誰を流していいのか分からない。誰を一番に恨みゃあ良いのか判らない位の仕打ちを、この子色んな人間からは受けちまったのさ」
きくり「ふーん......」ジーッ
光彦「......」
きくり「そばかすー!!キャハハハ!!」タタタッ
曽根「あ!こら!ったくもう!」チラッ
光彦「......」
曽根「だからお嬢は待ってるんだねぇ。この子の心が、恨みの先が定まるまで。自分で本当に恨みを晴らしたい人間が誰かを理解出来るまで」
578Res/425.65 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。