48:saga
2014/04/05(土) 11:52:33.13 ID:Lb+lzb3f0
骨女「確かにきくりは時々妙な事を言うけど、鵜呑みにすんのかい?」
一目連「ま、その辺りは明日灰原哀と阿笠博士を調べりゃ自ずと見えてくると思うぜ」
骨女「ま、とりあえず分かったよ。ご苦労さん。で、輪入道は?」
輪入道「ああ。俺は依頼人の経歴やら、家族関係、近所の評判やら何かを調べてみた。が、どうも妙だ」
骨女「まさか、あの光彦って子までおかしいとでも?」
輪入道「いや、そっちじゃあねえ。おかしいのは周りだ」
一目連「周り?」
輪入道「あの家の親は教育者らしくてな。躾やら何ならには少々うるさい人間らしい。そんな親が息子がいじめられてるってぇのに何も反応しないのはおかしいと思ってな。ちょいと本人に聞いてみたんだ。教育委員会の者だと言ってな」
骨女「ふんふん。それで?」
輪入道「最初はやんわりと学校でいじめがある事は知っているか聞いてみたんだが、知らないと言うんでな。じゃあ息子に変わったことは無いかと聞いてみりゃ、無いと言うんだ。今日みたいに怪我して帰って来た日もあるだろうに、特に変わったことは無いと言いやがる」
一目連「そりゃあ、体裁を気にして黙殺してるってことか?」
輪入道「いやあ、それは違うな。話が進んだ後、その親はとんでもねぇ事をぬかしやがった」
骨女「とんでもない事?」
輪入道「ああ、あまりにも態度が解せねぇもんでな。ちょいと突っ込んで聞いてみたんだ。息子の様子がおかしいのに気づかないのか、教育委員会には、お宅の息子がいじめられてると投書があったんだぞ、と」
一目連「それで?」
輪入道「うちの息子がいじめられてるとして、それがおかしい事でしょうか?と言いやがった」
骨女「は、はぁ?」
一目連「な、何だそりゃ?」
輪入道「ああ、俺も驚いた。最初は俺も体裁を気にして我慢してるのか、子供のいじめなどよくある事と割り切ってるのかとも思ったが、ありゃあ違う。あの言葉にゃあ、何の感情も無かった。自分の息子がいじめられるのは当然、当たり前の事と言い切ってやがった」
骨女「実の親にも見捨てられてるって事、なのかい?」
輪入道「違うな。俺は他の人間にも聞いてみた。依頼人には姉がいるんだが、その姉も親と同じ反応だった。え?それがどうしたの?と言ってたぜ。近所の人間やら何やら色んな人間に聞いてみたが、返事は一緒だった。「円谷光彦がいじめられるのは社会の常識」とすら言わんばかりの反応だった」
一目連「一体、どうなってんだよ?それは」
輪入道「分からねぇが……。まるでこの町の人間は、何かに操られているかの様に皆同じ態度だったぜ。言葉から罪悪感も、同情も、怒りも、何も感じられねぇ。他の事は普通に見えるが、円谷光彦と言う言葉が出た途端に感情が消えちまうんだ」
骨女「そんな事って……。あの子をが苦しんでるのを、誰1人助ける者はいないってのかい……?」
(光彦の事、心配してるの?)
骨女「……!」ハッ
一目連「どうした?」
骨女「そういや、あのコナンって坊や……。アタシがあの光彦って子を心配する素振りをしたら、こう言ったんだよ。「ふぅん、おかしいなぁ」って」
輪入道「どういう事だ?」
骨女「分からないけど、あの子はアタシに違和感を持っていた様だった。あの子を心配する人間はこの町ではおかしい、と言わんばかりにね。良く良く考えりゃ、先生方の態度もおかしかったよ。この件はやっぱり、ただの子供同士のいじめじゃ済みそうに無いね。何か大きな意思だか力が働いてる。それにあの子が巻き込まれてると考えたほうが良さそうだよ」
一目連「本当に、浮世離れした話になってきたな。こりゃあ性根を据えてかからなきゃならないヤマらしい」
輪入道「ああ。お嬢の仕事に憂いがあっちゃぁならねぇ。完璧に背景を掴まねぇとな」
骨女「そうだねぇ、あの子がどういう結論を出して、どういう結果になろうとも……。その時お嬢がすっきり仕事出来るようにね」
一目連「どうも骨女は、依頼人よりに発言してる気がするが。情が移ったかい?」
骨女「そんなんじゃ無いさ。そんなんじゃあね」
輪入道「ま、辛気臭い気分は一旦置いとくとしよう。俺達も英気を養おうぜ」
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