過去ログ - 27歳にして私は、ファンタジーRPGの世界へと飛ばされた
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◆CrTwLs26mw
[saga]
2014/03/16(日) 21:50:40.03 ID:zcqlbudY0
「……、んぅ……」
昨日はあのまま寝入ってしまったらしい。
忌々しい柔らかさの枕から顔を起こして、呆然と窓からの景色を眺める。
広大な草原の先に、別の町らしき影と、広大な森。
さらにその先には、これまた壮大な山々が連なっている。
あまりに王道な、ロケーションに苦笑いだ。
それから拍車を欠けるような悲しみを襲ったのは私の顔だ。
あまりにリアルの顔に忠実すぎる。
飾り気のない、肩越しまでの黒髪に、意識してなかったが
部屋用の赤渕眼鏡。
「この世界に、コンタクトは期待できないだろうなぁ……」
……、ひとまず現状を整理しようか。
懇切丁寧なチュートリアルを受けたおかげで、ステータス画面の開き方はバッチリだ。
しばらくRPGゲームに触れさえしていなかった私でも、低レベルの貧弱なパラメーター
がそこに羅列されていることくらいは理解出来る。
一つ腑に落ちないのは、たぶん名前欄であろう場所が空白となっていた。
そこへタッチすると、文字が打ち込めるようだ。
「……、名前」
自分の名前に、少しコンプレックスがあったのは子どもの頃の話だが、
私は現実のそれとは違う名前を打ち込むことにした。
“リナ”
しばらくは、名前を呼ばれてもすぐに振り向けないかもしれないなぁ……。
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