16:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/20(木) 03:00:24.99 ID:Z9CBPz3y0
どこまで歩いたのだろうか
ようやく辿り着いた地は、僅かな光に照らされた暗闇
春香「ようこそ、旅人さん」
少女が自分に語りかける
春香「ここは、記録の地…貴方の記憶を記録する地です」
P「記憶を………あ!」
声が出る、当たり前のことがとても信じられなかった
春香「旅人さんの思い出を、聞かせてください」
少女は飽くまで機械的で感情を読めない表情で淡々と喋った
でもそんなこと関係ない
ここに来るまで起こった全て、ここに来るまで思った全てを、少女に吐き出した
泣いて、笑って、怒って、戸惑って、
とにかく誰かに伝えたかった感情を吐露した
―――
――
―
全てを喋り終えて、彼女の意見を待った
しかし彼女は喋らない、まるで役割を終えているかのように
彼女は幾らも表情を変えない
気持ちを共有したかったのに、これでは一方的に語っただけだ
彼女は何も思わない、心を何処かへやってしまった人形
P「なんで何も分かってはくれないんだ…」
P「ここに至るまでに、どれほどの人の想いとを避けてきたことか!」
P「荷物は何処かへ無くなって、代わりに背負っていたのは罪の意識と悲しみと」
P「微塵にもこの手に残ったものなどなかった!」
P「こんな無力な傍観者を貴女は黙って赦すというのか!」
ぽつりと彼女はこう言った
春香「あなたの記憶を記録しました」
と
結局言葉が出せたとしても、心まで繋がることはできなかった
失恋した乙女のような純心は音を立てることもなく崩れ去った
再び心を仕舞い込み、がむしゃらに地をかけた
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