17:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga sage]
2014/03/20(木) 03:35:56.03 ID:Z9CBPz3y0
足枷をつけた奴隷のように、足取りは重たくなっていた
旅を続ける意味を忘れてしまいそうになった時
その地を訪れることになった
小鳥「ようこそ、旅人さん」
その女性の後ろには、がらくた置き場か宝物庫か
山のように幾らも品々が積み込まれていた
小鳥「ここは忘れられた地、ここには何でもそろっています」
小鳥「財布の奥で使われることなく忘れられた金貨」
小鳥「最後まで綴られることなく、名曲になりそこねたスコア」
小鳥「いつの間にか大人になってしまった人の童心」
小鳥「ここには何でもそろっています」
彼女の言葉を聞いて、自分は何とはなしにがらくた山に手をかけた
持ち主に忘れられた宝物からゴミ屑までがそろっていた
探す気はなかったけど、見つけだした自分の旅鞄
いつの間にか忘れてしまっていたんだ
本当に、ここには何でもそろっていた
改めてそいつをしょい込むと、背負っていた罪や悲しみを地面に置いた
小鳥「あなたの背負っていた荷物は、ここに忘れて置くことはできないでしょう」
忘れるつもりもないのだと、鞄の中に無理やり詰め込んだ
この辺りの宝物を宝を少しばかり頂戴させてもらおう
泣くのも笑うのもそれからに、今は彼女たちに謝りに行かなくちゃいけないから
この宝の山を探して回り、彼女たちへのお土産に
想いが伝わることはなかったけれど、今度はそれを伝えにいこう
小鳥「旅の目的は、忘れずにお持ち帰りくださいね」
皮肉まじりのその言葉は、今の自分にはお似合いな冗句だった
自分の想いを忘れないように、しっかり鞄を閉じ込んだ
決まった道を、リズムを刻んで歩み始めた
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