4:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga sage]
2014/03/17(月) 01:52:36.22 ID:d7SAN4gj0
目的もなく、歩む足はとどまることなく
ただ向かう先は、自分の知り得ないことばかりが広がる
また広がった景色は、穴だらけ
まるで、流星群が降り注いだかのような―
雪歩「ようこそ、旅人さん」
穴掘り道具をもち、その道具に不釣り合いなほど線の細い可憐な少女が迎えてくれた
雪歩「ここは探求の地です」
探求…穴を掘ることであろうか?
さしずめその為の装備か
雪歩「この地には、さまざまなものが埋まっていますぅ」
かわいらしい口からこぼれた言葉は、成金夢見る浪漫か何か
雪歩「下にはきっと、希望が埋まっているのだと思います」
見えない希望に膨らむ夢、見えないからこそ膨らみ続けて止まない
雪歩「こうしている間にも、もっとたくさん掘らなくちゃ…ごめんなさい旅人さん」
義務付けられているかのような言葉とは裏腹に、少女の動きは機械的ではなく、確固たる自分の意志だとよくわかった
自分はこの少女に、希望の地の少女を会わせたくなった
考えるより先に手が動き、彼女の手をつかんで歩んでいた旅路を指差した
P「……!」
行こう、会わせたい人がいるんだ
言葉が出ないとは、こんなにもどかしいものか
必死な訴えは彼女におそらく届いたが、
彼女はするりと、手から逃げてしまった
雪歩「私はこの地を離れることが赦されません、ごめんなさい」
先ほどあった、あの人に言われた言葉、すっかりと忘れていた
きっと、君と彼女は話が合うよき仲になるのにと
どうしようもできない気持ちが広がっていった
なんでこんなに無力なのだろう?
ただ少し、彼女の方へと向かうだけなのに
雪歩「本当に、ごめんなさい」
申し訳なさそうに、逃げるように彼女は穴掘りを再開した
心がこのモヤモヤで満たされないうちに、
言い訳がましく、旅路を闊歩した
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