過去ログ - P(ここは、どこなんだろう?)
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8:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga sage]
2014/03/17(月) 03:22:11.27 ID:EauNVEbh0

旅を続けていると、小さな人影がこちらに向かってきていた

次第に大きくなって走ってくるのが分かる

美希「ハニー!」

甘い蜂蜜か、妻の甘美な呼び声か

その少女はこちらに飛び込んできた

選択肢はないようで、両手でしっかり受け止めた

美希「ようこそハニー!ここはね、愛情の地だよ」

愛情、彼女のこの動作がまさにいきすぎた愛情表現だろう

ここらの人は、愛なんて偶像を掲げた狂信者なのだ

が、周りには誰もいなかった

耳が痛いくらい静かだった

美希「ねぇ、いっぱいお話しようよ」

彼女の提案を飲み込むことができないので、首を横に振った

美希「駄目?」

P「…!……!」

声が、出ないんだ

感覚がどこか麻痺しているのではないか

いくら喋る気でいても、一向に声が漏れることはない

美希「ふーん、そっかぁ…じゃあ一緒にいて?それだけでいいのっ」

ギュッと手を握られたので、返すように強く握った

美希「なんだか…あったかいね」

肌が触れ合えば暖かい、そんなことやる前から分かることじゃないのか?

美希「ずっと、こうしていたいなぁ」

愛を知らないのに愛情の地なのか

彼女自身の愛しみはあった、だけど他人からの愛なんてここにはなかった

誰も居ないのだから

痛いほどにきつく握られた手を離し、踵をかえした

美希「…やだ、いっちゃ、ヤっ」

残った手のぬくもりが、自分に呪いをかけた

ここにのこって、彼女を愛せば良いじゃないか

まだ握られたような感覚に陥り、必死に手で空を切った

見れば彼女は泣いているのだろう、そしたらまた呪われてしまう



この少女に似合いの伴侶が現れますように

振り返ることなく、走った



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