13:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/03/18(火) 01:17:49.91 ID:QIYzk+id0
勢い良く倒れ込むように椅子に座り直した彼女はそのまま怠けるように体勢を崩す。
悲しい哉、そんなにも勢い良かったのに揺れることのない胸は。
「君には失望したよ」
――失望。
「――失望、ね、まるで俺に期待していたみたいな言い方だな」
不貞腐れる様に、しかし何が面白いのか、笑い続けた彼女は、口角を上げたまま唇を尖らせる。
随分と間抜けな格好だが、それでも様になってしまう、
しかし、その美麗さに、その壮麗さに、可憐さに、自身の性格は真逆を向いているのだから笑ってしまう。
矢張り、神は万物を与えずという言葉はこいつにも適応されていたらしい。
「期待していたさ、なんだかんだと言ってボクに付き合ってくれている君の値千金の優しさにね」
口角をさらに上げ彼女は狐のように笑う。
本当に、化かされそうになる、屈託のない向日葵のような笑顔で、俺との視線が合う。
「俺を裏では面倒見のいいヤンキーの様な面倒臭い奴にしないでくれ」
彼女は目線を逸らすと、急に軟体動物の様に立ち上がる。
「ん?ボクは君がそう言う奴だと言っているんだよ?」
――ボクはそういうの好きだけどな、と付け加えた彼女は、早歩きで電灯を消しに向かう。
――?電灯を?どうして?
奇抜な行動に出ることの多い彼女に、余り疑問を持たなくなっていた俺にも、その行動は異常行動だった。
「それじゃあ、俺に――告白でもしている、」
――みたいで、いや、それは告白そのもので、だから、俺は行き詰まった。
言葉が出ない。
これじゃあまるで、期待通りで、予想通りで――。
「……」
何も言えなかった。
頭の中で必死にその考えを否定する。
しかし幾度となく出てくる結論に、俺は何も言えなくなる。
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